イ・デイル
Lee Daeil
2013.09 - 2013.11

《水中コンサート》は、松戸駅西口徒歩1分の位置にある会員制スポーツクラブ『NAS松戸』の協力を得て、NAS松戸のプール内で行いました。雨にも負けず来場して下さった方々の他に、日常的に運動しに来ている利用者もこの作品を聞くことになりました。
このコンサートは、水中に設置された2発の防水スピーカーを通じて、デイリーが松戸滞在中に制作した音源を聴くものです。この音源は、クジラの鳴き声と胎教音楽として有名な「クラシック音楽(*タイトル確認)」によって構成されたもので、デイリーによれば、胎内をイメージした水中でこの作品を鑑賞することは「回帰」の体験であるといいます。
ぷかぷかと浮かびながら耳だけを水に沈め、聴く。このスピーカーから流れる音は、水の中にいる時にしか聞こえません。反対に、水から上がってみれば、人工的な建物に響く様々なノイズが聞こえてきます。水面は、胎内や自然といった有機的なイメージと、人工物との境界線であり、人工的な世界から有機的なイメージの世界へと「回帰」するための入り口だったのでしょう。
2014.03.31