ユキ・ユンゲスブルト
Yuki Jungesblut
2023.10 - 2024.01
LONGSTAY Program 2023 招へいアーティストのユキ・ユンゲスブルトと手と顔による展覧会『PUZZLING POLY+SEMY― 複数の解』を松戸三丁目西自治会館 Sunsun Gardenで開催しました。
ユキは展示会場を「マジック・リサーチ・エージェンシー(魔法調査機関)」として公開。滞在期間中に実施した「魔法」のリサーチに基づいた資料や、ありふれた交差点や空き地、江戸川などが映された松戸の(膨大な!)風景写真に加え、11月のオープンスタジオで実施したプロジェクト「Thinking about Magic in Matsudo(松戸で魔法を考える)」の記録写真などが展示されました。自治会館の趣ある一室は非日常的な世界を探求するエージェンシーへと生まれ変わり、彼女(=エージェント)のフィルターを通して映し出された多様なアーカイブが並びます。
展示された記録の一つ一つを時を重ねるごとにユキの手によって並べ替えられ、まさにパズルのピースを組み立てるように、自由な発想から新たな複数の解(物語)が生成されるようでした。
手と顔は滞在中「故郷(ふるさと)」をキーワードとしたフィールドワークを多岐にわたって展開。松戸市内に住む在日外国人を対象として行った、「故郷」にまつわるアンケートや手紙の収集、松戸市立第一中学校美術部で行った手と体、文字を使って対話をするワークショップなど、多様な人々との交流とリサーチを実験的に積み重ねてきました。会場に配置されたテーブルの上にはそれらのアーカイブと、松戸で実践したプロジェクト《ローリング・マザーランド(2023)》の活動をまとめ新たに書き下ろされたテキストブックを読むことができる。そして大きなスクリーンに映し出された映像は、松戸で太極拳を行う女性やワークショップの映像記録、テキストが折り合わされて構成され、松戸が文化や国籍が異なる多くの人々が共存していることを改めて描きだし、コミニティのあるべき姿を緩やかに私たちに問いかけてくれるようでした。
二組のアーティストは制作のアプローチが異なるものでありながら、持ち寄ったキーワードを起点に、そこで生活する人々や、現在(いま)目の前にある風景と真摯に向き合い、松戸の日常に新たな視座を与えてくれるものとなった。
[イベント情報]
日程:2023年12月2日(土) – 3日(日)、8日(金) – 10日(日)
時間:11:00 – 18:00
※12月2日(土) 15:00 – 17:00は松戸市⺠会館にて『滞在報告会トークイベント』を実施のため一時的にクローズします。
参加:無料
会場:松戸三丁目西自治会館 Sunsun Garden
住所:松戸市松戸1428 MAP
アクセス:JR・新京成線「松戸駅」西口より徒歩5分
会場入り口:KITE MITE MATSUDO 駐車場・自転車出入口(杉浦写真館側)に入り、駐車場の建物脇にある小道を通ってお越しください
2023.12.11